(4から続き)

3月31日、帰国の日である。
韓国の航空会社を利用する場合は、出発の3時間前まではソウル駅で搭乗手続と出国審査が可能である。
それには条件があって、ソウル駅から空港までの直通列車のチケットを手続きの前に購入していることが条件だ。
Sさんは11時出発だから8時には搭乗手続きを済ませたい。
夕方発の我々も手続きを済ませてしまおう。
タクシーでソウル駅に向かうことにする。
ソウル駅では空港案内の標識に従ってエスカレーターでB2のカウンターに行けばよい。
エスカレータを降りたところに鉄道チケットの自販機があるから、先ずはそこで間に合う時間のチケットを買って、航空会社のカウンターに行けばよいというわけだ。
出国審査は隣のボックス。
その一連をスムーズにこなして...
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駅のコンコースに上がりパンとコーヒーの朝食である。
韓国のパンもコーヒーも本当に美味しくなったと思う。
ドラマに出てくるパン職人は日本で修行してきたとかよくある話で、韓国では日本のパンはビールなどとともに美味しいと定評がある。
このカフェも美味しかった。
カフェの客は我々と同じく飛行機利用の人々なのか、外国人がやたらと多かった。
しかし、朝の食欲をうどんやご飯で満たすのはソウル駅ではなかなか難しい。
以前入ったことのある、ソウル駅前の寂れた地下街にひっそりあるうどん屋はそれなりに客がいたが、そんな店は駅のコンコースのような派手なところには無い。
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空港に手ぶらで向かうSさん!
ここからエレベーターで地下7階だっけのホームに下る。
一緒に帰りたかったなあ...
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ソウルの駅前で何かの集まり?赤十字?それとも宗教団体?が太鼓などを演奏していたが...
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親戚から頼まれた土産物を買いに南大門市場に向かうことにする。
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このソウル駅から南大門市場のある地下鉄4号線会賢(へヒョン)駅まで歩道橋で繋がっている。
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歩道橋の上
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親子を至近距離で盗撮
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むこうに南大門が見える。
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先日登った北岳山が見える。
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レンギョウかな花の名前知らず。
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南大門市場でお目当てのものを買い、さあどうしようということになる...
飛行機の出発時間は18:50だから、時間はまだたっぷりある。
映画でも行こうかということになり、明洞の方へ...
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「小公女」という映画を見ることにする。
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主人公である。
上映開始が11時すぎだったか、映画館のエントランスホールの片隅に置かれたベンチで1時間ぐらいウトウトしながら待った。
映画はなかなか面白かった。
主人公はアラサーかアラフォー。
髪は白髪混じりでも、そんなこと気にもしていない女性。
家事ヘルパーをしながら、タバコを好みウィスキーをバーで飲むことを唯一の楽しみとしている。
家賃が払えなくなり、学生時代に参加していたバンドのメンバーのところを泊まり歩くようになる。
しかし彼らも様々な事情を抱えていて長くはいられない。
それでもタバコとウィスキーはやめられない。
上手く世渡りをする気もさらさらない。
行くところがなくても自分はいま旅行中だと強がったり...

恋人はいるが中国だったかベトナムだったかに出稼ぎに行くことになってしまう。
どんな境遇でも絶望することなく、自分を信じる芯の強さがなんとも魅力的である。
家族や友人との紐帯が強い韓国でも、そこから浮き上がった都会の中の孤独感、漂流感を上手く切り取って批評家好みの作品に仕上がっていた。
エンドロールが始まって私たちは席を立ったが、そこから最後の結末があったらしい。
ま、いいや...
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時間つぶしに見た割には面白い映画だったなあと、ご近所とも納得!
さて1時半過ぎだ。
昼飯を食べて空港に向かえばいい時間になるだろう。
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もう家に着くまでは何も食べることもないだろう。
何を食べようか物色しながら明洞をぶらついた。
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とある参鶏湯/サムゲタンの店に入る。満員だ...さすが繁華街!
かなり待ってやっと出てきた参鶏湯、美味しかった。
真昼間に焼酎飲みながら、いい気なもんである!
最後の日だし、それぐらいの「贅沢」は許されるだろう。
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その後、ソウル駅の横にあるロッテーマートで、海苔とミョルチいわゆる小女子の乾物を土産に買いそのまま空港へ。
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空港に着いたらSさんから無事帰宅されたとのラインメールが来た。
よかった!
便利な世の中である!
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相変わらず韓国の空はPM2.5とか黄砂に覆われているようだ。
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日が沈む頃、離陸体勢に入った。
下手なあやしい韓国語を操ることともしばらくはおさらばだ。
いつもながら寂しい想いが胸をよぎる。
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私は安堵して少し目を閉じた。
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敦賀上空
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名古屋西部から伊勢湾に差し掛かる。
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名古屋港
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名古屋港
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まもなくだ....
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着陸!
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さあ日常に戻らねば....
Sさんとの20年ぶりの空の旅。
夢のような数日だった。
Sさんにとってどんな旅だったのだろう...
良くも悪くもとにかく全員が無事で帰れた。
今はそれだけを感謝しよう。