(その3より続き)

3月30日、最後の活動日。
北漢山/プッカンサンに登ることになっている。
2年前登った記事はこちら。
http://yari-hotaka.doorblog.jp/archives/48265265.html

北漢山は、少し北の道峰山とともに花崗岩の大岩塔がある、クライミングのメッカである。
また市民登山の対象としてもとても人気があるところだ。
今日の登山は訪韓のメインイベントといってよい。
_DSC7004
8時にホテルを一旦チエックアウトして集合だ。
基本ラブホテルなので、昼の時間帯も借り上げると貸室料が3千円も追加になる!
べらぼうめ!
そのうえ、金曜週末だからチエックインはpm9時というではないか!
いくらなんでもそりゃないだろう、晩飯食って7時か8時には頼むわ!
と言ったら、フロント女史は煮え切らない態度でうやむやとうなずいていた。
こうなりゃ、ケ・セラ・セラなるようになるしかない。
とにかくチエックアウトしてフロントに荷物を預け、サービスのシャビシャビのコーヒーでも飲むことにする。
_DSC7005
YAJYAホテルのフロント風景。
このホテルに実は昨年の3月に家人と連泊している。
その時は日本で予約して一泊11,000円くらいだった。
2人だし、高くはないと思ったが、ちゃんと昼料金が含まれていたようだ。

さて、北漢山のアプローチには、いつもは地下鉄4号線を北上し水踰/スユ駅で下車して牛耳洞/ウイドン行きのバスに乗るのだが....
待てよ、先回来た時はなんか地下鉄工事みたいなことをやってたなあ...
てなことを思い出した。
やはり...
1号線の新設洞/シンソルドン駅から北漢山登山口の牛耳洞まで行く軽便鉄道がアプリに出て来る。
4号線から西に1km行くかいないかに新設の鉄道が建設されたのである。
そうか苦手なバスに乗らなくてもすむぞ!
_DSC7006
1号線東大門/トンデムン駅からさらに東へ2つ目、新設洞/駅で下車、新設牛耳/シンソルウイ軽便鉄道に乗り換える。
軽便とはよくぞいってくれた。
たったの2両編成、運転士のいない無人電車である!!!
車幅も狭く窮屈な感じだが、北漢山に行くにはまあ、便利にはなった。
始発駅で乗ることになるから何とか座れる。
登山客もチラホラ目立つ。
1523708708474
牛耳で下車すると北漢山がグッと近づく。(写真はSさん提供)
登山客はだいたいここから3kmくらいの登山口までスタスタ歩く。
それが嫌で、その近くにある名刹の道詵寺に参詣する客待ちのタクシーに相乗りで乗ったりしたこともある。
今日もそのつもりだ。
以前はバスもあったのだがどうなったのだろう?
今は寺のシャトルバスが往復しているが、当然登山客は乗せてくれない。
_DSC7007
さて、牛耳で地上に上がり先ずは朝飯だ。
目の前のバスターミナルの乗務員がよく利用するような大衆食堂に入る。
私はテンジャンチゲ、Sさんはカルグックス/うどん、ご近所山友さんはカムジャタン。
値段もリーズナブルだ。
P3300737
食事をすませて登山口まではタクシーを拾わなければならない。
食堂のおばさんに聞いたら、すぐそこで拾えますよと店の手前の方を指差した。
いたいた!
DSC03793
登山口まで1人200円、前回も相乗りして同じ値段だった。
で、3kmくらい急な坂を走ってあっという間に登山口に到着。
_DSC7008
登山口風景
_DSC7009
登山口風景
仏像の向こうが牛耳方面。
Uターン気味に右上へ上がっていくと道詵寺/トソンサという名刹がある。
ここの風景も少しづつ変わっていく。
_DSC7010
白雲探訪支援センター
P3300738
なにぃっ!!??
3月13日から飲酒山行が禁止されました!!??
べらんめえっ!
そんなものなんで取り締る必要があるんだよっ!
それが楽しみでみんな山登っているんでしょうがっ!
渓谷などで楽しそうにマッコリパーティをやっているグループもあって、羨ましかったよ。
地下鉄でアプローチできる山なのでそれもありだと思うがなぁ...
_DSC7011
花の写真など....
P3300739

_DSC7012
私たちは右の白雲探訪支援センターから来て左のハルジェ(一日峠?)を経て白雲台1.8kmへ行く。
P3300740
なんという花だろう?
ボンボンのようだ。
P3300741

DSC03805


P3300742
路傍の石に腰掛けて....
P3300743
路傍の石に手をかけて...
今日も温かい。
天気予報は20度を超えるという。
相変わらずPM2.5と黄砂の到来でマスク使用を呼びかけていた。
黒いマスクや青いマスク、模様付きのマスクとこの国のマスクは色々だ。
_DSC7013
目の前に大岩塔!
仁寿峰である!
クライミングをしている人は見当たらない。
_DSC7014
ゴミを拾いながら渓谷を歩いている黒ずくめの青年、彼の愛犬でサンドル。
道ゆく登山者にも知られているようだ
しきりにサンドラ、サンドラ..と声をかけている。
サンドラとはサンドルちゃんという韓国語の愛、敬称表現である。
_DSC7015
北漢山といえど、標高は800ナンmの低い山なので勝負は早い。
1.4kmで白雲台頂上だ!
P3300744
ヘリが上空を旋回
_DSC7016
仁寿峰の右肩に這い上がるトカゲのような岩。
しかしオーバーハングしたところだけのネーミング、猫の耳岩。
その左が有名なコキリ/象。
アフリカ象が耳を広げたような岩が目に入る。
_DSC7017
警察山岳救助隊の詰所。
待避所と名付けられているから一般にも解放されているのだろうが一般人は見かけたことがない。
私は一度、ここで仁寿峰の右端のスカイラインの仁寿リッジはどこかと聞いたことがある。
上から下までネメ回されて、教えてくれたが、お前ら大丈夫かと言わんばかりだった。
還暦超えたジイさん2人だったからなあ...無理もないか。
結局、そこには取り付けず手前の易しいコドクルートを登ってしまったが...
余談だが、仁寿リッジなるところは日本のパーティが登ったブログを見て、ここなら行けるかなと思った次第である。
今はもうそんな力も意気込みもない。
_DSC7018

_DSC7019
お坊さんの修行の庵のようだ。
低く、重く...殷々とした読経の声が流れてくる。
こんなのも異国情緒である。
_DSC7020
白雲山荘のボッカ。
Sさんが岳人の韓国の山特集に乗ってた人だと声を上げた。
忘れっぽい私は全く記憶がない。
日本に帰ってその記事を探したら果たして、ありました。
20180424_213342
彼は私たちに出くわすと、声を張り上げて何かを歌い出した。
身体中で自然に呼びかけるような、おおらかに詩を謳うような感じだ。
俗世を捨てた仙人そのものの風貌に目を見張った。
_DSC7021
ひとしきりそんなパーフォマンスを「演じ」ると、あっけに取られている私たちを尻目に脱兎のごとく駆け下っていった。
_DSC7022
Sさん、絵になりますね!
80代なかばにはとても見えない!
使い込んだ古いデイパックのリュックに、さりげない普段着。
これ以上ものを買わないことにしているという。
シンプルなライフスタイルをモットーとしているそうだ。
見習わなくては...といっても、とても敵わない。
P3300745

_DSC7023
白雲山荘の扉にイムジェウク氏というカメラマンの写真展のポスターが貼ってあった。
イムさんといえば「林」か「任」の漢字が思い浮かぶが...なんともわからない...
この白雲山荘を運営されているご夫婦がポスターのモデル。
どうやらこの白雲山荘を主題にしたもののようだ。
_DSC7024
ご主人とともに白雲山荘を運営して来た奥さんです!
ところがなんと!
創立90数年というこの山小屋が存続に危機にあるという!
_DSC7025
お酒が出せなくなって、日本から広瀬がガイドしてくるツアーも来なくなったとつぶやいていた。
広瀬氏は岳人の韓国山の特集号で「仁寿峰クライミング事情」という記事を書いているその人だと思う。
20180430_105358
それにしてもなぜ白雲山荘がなくならなければいけないのか!
事情がよく飲み込めなかったので帰国してからネットで調べて見た。
それによると、
90年代に小屋が焼けて、再建した。
その後、増築の許可を取るときに、国立公園管理の当局から20年後には小屋もろとも国が接収するという条件で許可を出した。
その年限がきているということのようだ。(間違っているところがあるかもしれない)

_DSC7058
横断幕には、
93年の歴史を持つ白雲山荘は我々すべてが主人です
美しい山小屋文化を作って行きましょう
   白雲山荘保存対策委員会

山小屋が存続し果たしてきた役割などを認めて文化遺産として残せということを裁判で争っているようなのである。(間違っているところがあったらすみません)
道峰山や他の地域の山小屋も閉鎖されているか放棄されているという。
この小屋が残っているのも奇跡かもしれない。
白雲山荘が無くなったらにここに来る楽しみがなくなってしまう。
ただでさえ飲酒山行禁止になってガッカリしているのに、これもホンマ小屋への嫌がらせとしか思えない。
fullsizeoutput_1af7
私たちは白雲山荘の国家帰属に反対する。
白雲山荘保存対策委員会
署名用紙には私たちも名を連ねた。
文大統領、なんとかしてください!
_DSC7026
さて山登り再開!
仁寿峰の裾を巻くように花崗岩質の道が続く。
_DSC7027
稜線の城壁が近づいてきた。
_DSC7028
ほどなく北漢山の主稜線にある山門に着いた。
ここからは城壁に沿って頂上へ岩の道だ。
_DSC7029
山門前に佇むSさん。
_DSC7030

_DSC7031
山門の向こう側からもどんどん人が登って来る。
_DSC7032
頂上への道は岩だ。
_DSC7033
向こうの稜線は一昨日、北岳山からも見えた。
そそられるねー!
_DSC7034

_DSC7035
やり過ぎなぐらいの安全対策はほとんど自然破壊に見える。
しかし市民登山の盛んな事情もあるのだろう。
P3300748
向こうの稜線を拡大して見た。
標識が見える!いつか行こっと!
P3300749

P3300750
白雲台から見た隣の万景台/マンギョンデ
城壁は頂上まで続いているようだ。
P3300751
城壁が再現されている。
_DSC7036
確かに階段がなければ一般の人は登れないだろう。
痛し痒し、ま、お国の事情、何をいっても始まらない。
_DSC7037
国際都市ソウルは外国人も多い!
_DSC7038
頂上台地は緩やかで広大なスラブでできている。
_DSC7039

P3300752
Sさんも頂上台地の方へ。
_DSC7040
着きました!
_DSC7041
思い思いの格好。
_DSC7042

_DSC7043
頂上直下の緩い傾斜のスラブは格好の憩いの場である。
_DSC7044
女子2人いい感じである。
_DSC7045

_DSC7046
こちらは男子2人
_DSC7047
外国の人もたくさん登っていた。
_DSC7048
絶景だね!

_DSC7049

_DSC7050
危なっかしく見えるが...
オラァ知らねぇ....
DSC03819

_DSC7051
ご近所は初登頂。
今までは誘っても、無理!とにべもなかった。
_DSC7052
国旗は要らんと思うのは俺だけか。
他国の事情ということにしておこう。
_DSC7053
いい感じだねえ...
_DSC7054
類似写真ばかり...
_DSC7055
これがハイシーズンともなるとすごい人で埋まるのだろう。
_DSC7056
隣りの仁寿峰
P3300753
以前から気になっている道峰山の近くにある剣岳八ッ峰6峰のような岩塔群。
その名もオボン/5峰というらしい。
登山道はあるようだ。
P3300754
一度は近くまで行って見たいなぁ。
P3300755
こちらは遠くの道峰山の大岩塔の一部。
P3300756
思いおもいのところでくつろぐ。
でもここで飲酒などしたらやっぱり危ないだろうな。
飲酒山行禁止というのもむべなるかな...
P3300757
季節外れの暖かい3月末...
P3300758
間違いを探せ状況の類似写真。
DSC03820


ここでお腹が急転直下。
Sさんとご近所を置いて、白雲山荘まで一目散に駈け下る。
すんでのところで事無きをえた。
昔、岩登りに出かけると必ず催すので困ったものだ。
中でも悲惨だったのは、北岳バットレス下部の十字クラック、名張小太郎岩の算盤ルンゼetc
思い出すのも辛い!!!
神経性大腸炎だと自己診断している。
今日は大事に至らず幸ウン...

_DSC7059
ほどなく2人が降りてきたら...
_DSC7060
ボッカ仙人も上がってきた!
_DSC7061
ボッカの人が小屋に入る!
_DSC7062
さて、私たちも小屋を後にした。
_DSC7063
なんとか無事に下山。
登山口に降りたら運よくタクシーがつかまった。
牛耳までのつもりが、結局宿近くまで。
渋滞で時間がかかったが1600円前後。3人いれば、マいいか!となるわね。

例によってドライバーと政治談義。
全くどうでもいい話だが記憶のために彼の話を思い出し書き。

職業軍人上がりの彼は退役して年金をもらいながらタクシーを始めたとのこと。
今のムン大統領はイマイチということ。
彼は保守主義だということを悪びれずカミングアウトした。
高校を卒業するや軍に志願し落下傘部隊に配属された。
そのうち体がデカイのに目をつけられて、VIPなどの警護部隊に回された。(184cmあるという)
退役するにあたり、そこから生きていくために必要ないろんな資格が取得できるように国が6ヶ月支援するという制度があるらしい。彼はそれを利用した。
しかし...
不動産業の資格を取ろうとしたが俺は頭悪いので無理だったと穏やかに話してくれた。
そして娘自慢。
ソウル大学は優秀なのでほとんど学費がかからなかった。
外国語は4ヶ国語ぐらいペラペラ。
POSCO(鉄鋼メーカー)の奨学金制度があり、年にたった2人選ばれるがそのうち1人がうちの娘。
東京大学大学院に8年通い国際政治の学位を取った。
現在はNHKの政治部次長で公舎住まい。
俺は日本に年数回行くがそこで寝泊まりしている。
韓国に帰ってくると奨学金を受けていた期間分をPOSCOに勤めなければいけないということで、それが嫌で韓国に戻りたくないようだ。
彼氏はいない。
仕事一筋。
今では嫁にやるのが惜しくなったとよと苦笑い。
...云々...

まあ、俺もよく付き合ったものである。
_DSC7064
ホテルのある街に戻ってきて韓国の慣わしに従いチメ。
チキンとメッチユ/ビールである。
_DSC7065
Sさん今日もお疲れ様でした。
20180330_192613
ホテルに追加分計4千円を払って早めにチェックインした。
やむを得ない。
身体を流し、最後の晩餐に出掛ける。
ご近所山友さんが以前来たことがあるという仁寺洞の竹筒ご飯定食。
ご飯やネタを野菜に包んで食べる健康食のようだ。
美味しかった。
明日は時間差で日本に帰らなければならない。
ホテルに戻り、各自そのまま就寝。
今日も程よく疲れた。

日本行きはSさんが午前便、私とご近所が夕方便だ。私がSさんに間違った時間を教えてしまったみたいだ。
明日はソウル駅でSさんと一緒に飛行機搭乗のチエックインを済ませてしまおう。
深夜目を覚ました。帰りたくない気持ちを殺して荷物のパッキングをすませたのである。







(5 余録につづく)