世紀末96年、21年前の我らである。
彼は当時、韓国では新進気鋭の..ヒマな..伝統芸術評論家兼演出家。
所用で名古屋に来た折には観光ビザ滞在期間目一杯の2週間(当時)をなぜか我が家に居候していた。好奇心いっぱいの彼は勝手にあちこち出歩き、夜は行きつけの居酒屋に入り浸っていたものである。
夜遅く私が帰宅して探しに行くことになった。
彼の記憶を頼りに道を辿って行くと、果たして我が家から相当離れた藤が丘の路地の片隅に自転車はあった。
彼の記憶力の確かさに舌を巻くしかなかった。今や、彼もその世界では多忙を極めているかなりの有名人である。
そんな彼がまた所用を兼ねて名古屋にきた。
そしてなんとか2日の休暇を捻出して、昔に登った山にもう一度行こうというのである。
この頃は私がヒマになり昔とは立場が逆転した。
ふたつ返事で一緒に行くことにした。
当初、月曜朝に名古屋を発ち水曜の夕方韓国に帰る...そんな予定でいた。
それなら水曜日に山から直接空港に行けばいいかとタカをくくっていた。
念のため山に来る道すがら飛行機の便を尋ねたら、水曜の昼の便という。
ということは明日中に山を降りていなければならない。
となると今日は横尾涸沢泊まりで明日は奥穂、前穂を縦走して上高地の最終バスに間に合わなければならない。
これは前回彼と行ったいわば穂高の定番コースだ。
それを行くなら前日夜発で朝一のバスに乗りたかった。
名古屋は5時前に出発した。
東海北陸自動車道をひた走り、
上高地の入り口の平湯のあかんだな駐車場には8時前に到着。
ちょうど8時発のバスに飛び乗り上高地へ向かう。
上高地のバスターミナルの2階で朝食を摂ることにした。この時間から定番コースには行けないことはないだろうが、今の私には少しハードすぎる。
彼は前回泊まった涸沢ヒュッテに行きたいという。
あの時は雪の残る広大なカールの底で感に堪えたように、信じられない...とつぶやいた。
その印象が強かったのだろう...
ライブカメラで見ていたが今年の涸沢には雪がたくさん残っているようだ。
装備を持ち歩くのもなんだし....
上高地の風景を描く絵描きさんがおぼつかない足取りで橋に上がろうとしている。
ここはやはり日本の風景の最上位にくるところ、聖地、巡礼地なのだ。
ところで河童橋の上流には川原があり、より自然な感じが出ているが....
下流の方はこの通り護岸工事によって川原は無くなってしまった。
昔はこの川原にも車を停めたり、あるいは子供達が水辺で遊びに興じていたりしてたのだが、あののどかさは無情にも消し去られた。
押し寄せる観光客を捌くだけの味気ない上高地になってしまったようにも思う。
ま、昔からそういうものだったと言えばそうである。
山に登る人のためだけの上高地ではない。
それにしても上高地は木立に見える高い山を垣間見ながら散策するだけでも十分価値のあるところだ。
過ぎ去りし日はもう帰らない。
老人の感傷といえばそれまでだ。
河童橋から上流を見たところ。
清流があり、緑の森があり、雪をいただく峰々があり...
ウェストンが、日本アルプス!と歓声をあげたのもむべなるかな。
絵と風景がシンクロしている。
河童橋を渡り上流に向かって行くと 岳沢への道を示す看板がありそこから登りだす。
始まりは笹薮の中の樹林の道だ。
せせらぎの水の豊かさと透明な美しさに友は驚嘆する。
韓国ではこんなに豊かで綺麗な流れは見たことがないという。
日本の雨量の多さとそれを受け止める森の深さにいたく感動している。
...韓国はマジ水が少ない国なんだ...やっぱり日本の自然は素晴らしいわ...羨ましい...
ともつぶやいていた。
上高地から岳沢小屋まで標高差600m強。
コースタイムは2時間となっている。
今日はここまで行きましょうと言ったら、友は納得がいかないようだ。
えっ、昼から何するの?
ゆっくり休みましょうよ。
韓国人は一気に登ってしまうがなあ..と腑に落ちなさそうだが...
やがて吹っ切れたように、じゃあ、そうすっか!と明るく笑った。
歩き出して1時間とちょっとでこんなところが...
この穴から冷たい空気が吹き出してくる。
あたり一面が涼しい。
この奥のどこかに万年雪でもあるのか....とても不思議...
この岳沢道にはいたるところにあるがここが一番吹き出しが多いようだ。
当然ここでしばしの一服。
昔の言葉で言えば、一本立てよう、というわけだ。
彼も今やタバコはやめている...
道は沢に沿って樹林帯につけられているが時々樹林の合間からこのように景色が見ることができた。
奥穂の南面にあるスラブの畳岩が確認できる。
ゆるやかなスラブの登攀は一時話題になったがその後はどうなったのか知らない。
岳沢のバリエーションルートには奥穂高南陵トリコニー、コブ尾根などがあるが私は足を踏み入れたことがない。
今日は風もなく穏やかな天気だが日射しが強く暑い。
彼はズンズンと先を行き、元韓国軍特殊部隊のタフネスさを見せつける。
昨年韓国で一緒にハイキングに行った時は持病で足が痛そうだったが、今日は調子がいいらしい。
彼について行こうとすると、息も動悸も絶え絶えになりへばってしまう。
私にかまわず先に行ってくれ、と頼んだ。
21年前、彼と涸沢から奥穂、前穂を縦走してここを下っている。
しかし涸沢の印象以外は全く記憶にないらしい。
私は岳沢道から登るのは2度目だ。
山を始めた頃、何も知らずにここを登った。
下ったことも何度かある。
しかしメインの山行は終えてただ帰るだけの長い下りとしか記憶がない。
つまり岳沢の良し悪しも印象も何もわからないまま今日ここに来ているわけだ。
あらためて見れば岳沢フェースも迫力があり西穂からの斜面は太古の氷河を想起させる痕跡を見せたりしてもなかなか見ごたえがある。
あらためて畏怖を覚える。
上高地から穂高を目指すのは梓川沿いに横尾まで行き、横尾本谷から屏風岩を見上げながら涸沢に上がるのが王道だ。
前穂高北尾根のノコギリのような尾根を従えて吊り尾根から奥穂の高みにいたり涸沢岳から北穂への険しい稜線に囲まれた巨大なすり鉢の底に立つ涸沢の魅力はやはり何物にも変え難い。
しかし今...
あまり人の手が入っていいない岳沢側の荒々しい壁に直接向き合いながら登るこの道に、今まで知らなかった穂高の魅力を感じていた。
今日の岳沢道も梅雨の一服、月曜平日とあって行き交う人もさして多くない。
天下の穂高を静かに満喫できる。
ひょっとしたら私の嗜好と合うのはここなのかもしれない。
友は私のために何度か休んでくれた。
暑いのでそのたび水をがぶ飲み!
やれやれ、
12時半、岳沢小屋着。ここは標高2170m。
2時間のところ3時間かけてヘロヘロだ。
半数以上が外国人のハイカーだ。
一体どうなっているのだろう!?
私たちはチェックインを済ませて穂高ワイン、ビール、ラーメンを所望。
いい気分である。
さっき追い抜かれたベルギーの若者。
英語やポルトガル語が飛び交っている。
で私たちは韓国語....
上高地に来てここまで登ってくる外国人が多いようだ。
小屋の前にはこんな看板が...
私だって韓国に行きゃ山に行くもんなあ....
5万年前の氷河期に岳沢が形成されたということかな...
英語は苦手やなー...
今日の泊まりは我々二人だけとのこと。
ありがたい!
数年前、雪崩で崩壊して再建された真新しい小屋だ。
槍ヶ岳山荘の穂刈氏の系列小屋である。
廊下の荷物棚。
私たちの部屋は焼岳室
この部屋に二人は余裕だ!
韓国人の彼は日本の畳が大好きである。
小屋の丁寧な木の造作にも関心、感心しきり。
....まだ木の香りがする!
部屋の前の屋根から上高地が見える。
左の山は六百山と霞沢岳。
右に焼岳がチラリ。
乗鞍は雲の中だ。
西穂の方だ。
私たちは横になりぐっすりと昼寝!
寝不足のまま早朝4時起きの強行軍だったので大助かり!
夕食前に雪渓まで散歩に行くことにした。
お、左側の尾根のラクダのコブが三つって感じのところが奥穂南陵のトリコニーかな!
大岩壁の下に雪渓が残り素晴らしいね!
雪渓にに立つ友、
奥さんが選んだというコリアンファッションである!
乗鞍は雲の中....
惚れ惚れする大フェース!
飽きることなく何枚も撮ってしまう。
いいねえ!
陽はまだ高いが西に傾き逆光の西穂
あら、写真が前後したかな...
雪渓下の温もりの残る平坦な岩の上。
ここで靴と靴下を脱ぎしばしの瞑想。彼は軍隊の経験談を話してくれた。
昔は軍隊の経験を思い出すのも嫌だという感じだったが.....彼もそれなり歳を重ねたのか....
行軍の途中で休憩するときは、たとえ5分の休憩であれ、川でも水たまりでも泥水でもなんでもいい...靴、靴下を脱いで足やスネを洗うのだそうだ。
それで足を拭いて靴、靴下をはくと長い距離を歩いても疲れが少ないというのである。
ふーむ、足を解放して洗うことのマッサージ効果で血行促進....
なんとなく良さげだ...今度試してみよう。
ハイカー達はみんな下山したようだ。
ヘリパッド
ここで佇んでいたら夕食ですよと声がかかった。
岳沢印象
岳沢印象
岳沢印象
上高地、六百山、霞沢岳
天狗の頭
奥穂方面
西穂方面
夕食は5時から
まあまあだが...
今は南アルプスの方が豪華かもしれない....
就寝前、奥さんが用意してくれたという部屋着でくつろぐ友である。
せっかく用意してくれたのだからそのまま持ってかえったら大変なことになるとか...
と言いながら嬉しそうだ。
恐妻家である。
こんな月が....
夜明け前.....上高地を見下ろす。
.....月は西に....
朝陽は東...
今日の好転を約束してくれたようだ....
(2に続く)
彼は当時、韓国では新進気鋭の..ヒマな..伝統芸術評論家兼演出家。
所用で名古屋に来た折には観光ビザ滞在期間目一杯の2週間(当時)をなぜか我が家に居候していた。好奇心いっぱいの彼は勝手にあちこち出歩き、夜は行きつけの居酒屋に入り浸っていたものである。
平湯のあかんだな駐車場にて
そんなある日、彼は私の娘の自転車に乗って出かけ、どこかに乗り捨てて来たらしい。夜遅く私が帰宅して探しに行くことになった。
彼の記憶を頼りに道を辿って行くと、果たして我が家から相当離れた藤が丘の路地の片隅に自転車はあった。
彼の記憶力の確かさに舌を巻くしかなかった。今や、彼もその世界では多忙を極めているかなりの有名人である。
そんな彼がまた所用を兼ねて名古屋にきた。
そしてなんとか2日の休暇を捻出して、昔に登った山にもう一度行こうというのである。
この頃は私がヒマになり昔とは立場が逆転した。
ふたつ返事で一緒に行くことにした。
当初、月曜朝に名古屋を発ち水曜の夕方韓国に帰る...そんな予定でいた。
それなら水曜日に山から直接空港に行けばいいかとタカをくくっていた。
念のため山に来る道すがら飛行機の便を尋ねたら、水曜の昼の便という。
ということは明日中に山を降りていなければならない。
となると今日は横尾涸沢泊まりで明日は奥穂、前穂を縦走して上高地の最終バスに間に合わなければならない。
これは前回彼と行ったいわば穂高の定番コースだ。
それを行くなら前日夜発で朝一のバスに乗りたかった。
名古屋は5時前に出発した。
東海北陸自動車道をひた走り、
上高地の入り口の平湯のあかんだな駐車場には8時前に到着。
ちょうど8時発のバスに飛び乗り上高地へ向かう。
上高地のバスターミナルの2階で朝食を摂ることにした。この時間から定番コースには行けないことはないだろうが、今の私には少しハードすぎる。
彼は前回泊まった涸沢ヒュッテに行きたいという。
あの時は雪の残る広大なカールの底で感に堪えたように、信じられない...とつぶやいた。
その印象が強かったのだろう...
ライブカメラで見ていたが今年の涸沢には雪がたくさん残っているようだ。
装備を持ち歩くのもなんだし....
上高地のバスターミナルでゆっくり朝食を摂りながら...
涸沢ヒュッテに行ったら頂上はない、それとも目の前の前穂の頂上を目指すか!
と二択を迫ったら...
やっぱりここまで来たからには頂上だなあ、とニヤリとした。
涸沢ヒュッテに行ったら頂上はない、それとも目の前の前穂の頂上を目指すか!
と二択を迫ったら...
やっぱりここまで来たからには頂上だなあ、とニヤリとした。
ここはやはり日本の風景の最上位にくるところ、聖地、巡礼地なのだ。
ところで河童橋の上流には川原があり、より自然な感じが出ているが....
下流の方はこの通り護岸工事によって川原は無くなってしまった。
昔はこの川原にも車を停めたり、あるいは子供達が水辺で遊びに興じていたりしてたのだが、あののどかさは無情にも消し去られた。
押し寄せる観光客を捌くだけの味気ない上高地になってしまったようにも思う。
ま、昔からそういうものだったと言えばそうである。
山に登る人のためだけの上高地ではない。
それにしても上高地は木立に見える高い山を垣間見ながら散策するだけでも十分価値のあるところだ。
過ぎ去りし日はもう帰らない。
老人の感傷といえばそれまでだ。
河童橋から上流を見たところ。
清流があり、緑の森があり、雪をいただく峰々があり...
ウェストンが、日本アルプス!と歓声をあげたのもむべなるかな。
絵と風景がシンクロしている。
河童橋を渡り上流に向かって行くと 岳沢への道を示す看板がありそこから登りだす。
始まりは笹薮の中の樹林の道だ。
せせらぎの水の豊かさと透明な美しさに友は驚嘆する。
韓国ではこんなに豊かで綺麗な流れは見たことがないという。
日本の雨量の多さとそれを受け止める森の深さにいたく感動している。
...韓国はマジ水が少ない国なんだ...やっぱり日本の自然は素晴らしいわ...羨ましい...
ともつぶやいていた。
上高地から岳沢小屋まで標高差600m強。
コースタイムは2時間となっている。
今日はここまで行きましょうと言ったら、友は納得がいかないようだ。
えっ、昼から何するの?
ゆっくり休みましょうよ。
韓国人は一気に登ってしまうがなあ..と腑に落ちなさそうだが...
やがて吹っ切れたように、じゃあ、そうすっか!と明るく笑った。
歩き出して1時間とちょっとでこんなところが...
この穴から冷たい空気が吹き出してくる。
あたり一面が涼しい。
この奥のどこかに万年雪でもあるのか....とても不思議...
この岳沢道にはいたるところにあるがここが一番吹き出しが多いようだ。
当然ここでしばしの一服。
昔の言葉で言えば、一本立てよう、というわけだ。
彼も今やタバコはやめている...
道は沢に沿って樹林帯につけられているが時々樹林の合間からこのように景色が見ることができた。
奥穂の南面にあるスラブの畳岩が確認できる。
ゆるやかなスラブの登攀は一時話題になったがその後はどうなったのか知らない。
岳沢のバリエーションルートには奥穂高南陵トリコニー、コブ尾根などがあるが私は足を踏み入れたことがない。
今日は風もなく穏やかな天気だが日射しが強く暑い。
彼はズンズンと先を行き、元韓国軍特殊部隊のタフネスさを見せつける。
昨年韓国で一緒にハイキングに行った時は持病で足が痛そうだったが、今日は調子がいいらしい。
彼について行こうとすると、息も動悸も絶え絶えになりへばってしまう。
私にかまわず先に行ってくれ、と頼んだ。
21年前、彼と涸沢から奥穂、前穂を縦走してここを下っている。
しかし涸沢の印象以外は全く記憶にないらしい。
私は岳沢道から登るのは2度目だ。
山を始めた頃、何も知らずにここを登った。
下ったことも何度かある。
しかしメインの山行は終えてただ帰るだけの長い下りとしか記憶がない。
つまり岳沢の良し悪しも印象も何もわからないまま今日ここに来ているわけだ。
あらためて見れば岳沢フェースも迫力があり西穂からの斜面は太古の氷河を想起させる痕跡を見せたりしてもなかなか見ごたえがある。
あらためて畏怖を覚える。
上高地から穂高を目指すのは梓川沿いに横尾まで行き、横尾本谷から屏風岩を見上げながら涸沢に上がるのが王道だ。
前穂高北尾根のノコギリのような尾根を従えて吊り尾根から奥穂の高みにいたり涸沢岳から北穂への険しい稜線に囲まれた巨大なすり鉢の底に立つ涸沢の魅力はやはり何物にも変え難い。
しかし今...
あまり人の手が入っていいない岳沢側の荒々しい壁に直接向き合いながら登るこの道に、今まで知らなかった穂高の魅力を感じていた。
今日の岳沢道も梅雨の一服、月曜平日とあって行き交う人もさして多くない。
天下の穂高を静かに満喫できる。
ひょっとしたら私の嗜好と合うのはここなのかもしれない。
友は私のために何度か休んでくれた。
暑いのでそのたび水をがぶ飲み!
やれやれ、
12時半、岳沢小屋着。ここは標高2170m。
2時間のところ3時間かけてヘロヘロだ。
半数以上が外国人のハイカーだ。
一体どうなっているのだろう!?
私たちはチェックインを済ませて穂高ワイン、ビール、ラーメンを所望。
いい気分である。
さっき追い抜かれたベルギーの若者。
英語やポルトガル語が飛び交っている。
で私たちは韓国語....
上高地に来てここまで登ってくる外国人が多いようだ。
小屋の前にはこんな看板が...
私だって韓国に行きゃ山に行くもんなあ....
5万年前の氷河期に岳沢が形成されたということかな...
英語は苦手やなー...
今日の泊まりは我々二人だけとのこと。
ありがたい!
数年前、雪崩で崩壊して再建された真新しい小屋だ。
槍ヶ岳山荘の穂刈氏の系列小屋である。
廊下の荷物棚。
私たちの部屋は焼岳室
この部屋に二人は余裕だ!
韓国人の彼は日本の畳が大好きである。
小屋の丁寧な木の造作にも関心、感心しきり。
....まだ木の香りがする!
部屋の前の屋根から上高地が見える。
左の山は六百山と霞沢岳。
右に焼岳がチラリ。
乗鞍は雲の中だ。
西穂の方だ。
私たちは横になりぐっすりと昼寝!
寝不足のまま早朝4時起きの強行軍だったので大助かり!
夕食前に雪渓まで散歩に行くことにした。
お、左側の尾根のラクダのコブが三つって感じのところが奥穂南陵のトリコニーかな!
大岩壁の下に雪渓が残り素晴らしいね!
雪渓にに立つ友、
奥さんが選んだというコリアンファッションである!
乗鞍は雲の中....
惚れ惚れする大フェース!
飽きることなく何枚も撮ってしまう。
いいねえ!
陽はまだ高いが西に傾き逆光の西穂
あら、写真が前後したかな...
雪渓下の温もりの残る平坦な岩の上。
ここで靴と靴下を脱ぎしばしの瞑想。彼は軍隊の経験談を話してくれた。
昔は軍隊の経験を思い出すのも嫌だという感じだったが.....彼もそれなり歳を重ねたのか....
行軍の途中で休憩するときは、たとえ5分の休憩であれ、川でも水たまりでも泥水でもなんでもいい...靴、靴下を脱いで足やスネを洗うのだそうだ。
それで足を拭いて靴、靴下をはくと長い距離を歩いても疲れが少ないというのである。
ふーむ、足を解放して洗うことのマッサージ効果で血行促進....
なんとなく良さげだ...今度試してみよう。
ハイカー達はみんな下山したようだ。
ヘリパッド
ここで佇んでいたら夕食ですよと声がかかった。
岳沢印象
岳沢印象
岳沢印象
上高地、六百山、霞沢岳
天狗の頭
奥穂方面
西穂方面
夕食は5時から
まあまあだが...
今は南アルプスの方が豪華かもしれない....
就寝前、奥さんが用意してくれたという部屋着でくつろぐ友である。
せっかく用意してくれたのだからそのまま持ってかえったら大変なことになるとか...
と言いながら嬉しそうだ。
恐妻家である。
こんな月が....
夜明け前.....上高地を見下ろす。
.....月は西に....
朝陽は東...
今日の好転を約束してくれたようだ....
(2に続く)
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