3時を回ると小屋の中はごそごそ起き出す。
私の横の男性は気配も感じさせず、私が目を覚ましたらいなくなっていた。
私は横になったまま、今日の行動予定を頭にめぐらせながら、どう動くべきか考えた。
朝食は食べず行動食と水をを持って聖を往復しよう。
アタックザックをを持っていないので、残りの荷物はビニール袋に入れて小屋に置いていこう。
降りて来て余裕があったら小屋で朝食を食べてから茶臼に向かおう。
頂上往復5時間、さらに茶臼小屋まで5時間、体力の無い今の私にはそれぐらいかかるはずだ。
_DSC2242
さっそく行動に移る。
ごそごそ起き出したグループが火を焚き朝飯の支度をしている中、身支度を整え荷物をまとめて小屋を出た。
3:50 ヘッドライトを点けて小屋出発。
_DSC2244
オリオン座とお月さんが上河内岳の方向に・・
_DSC2247
日の出前の富士。
P8110478

P8110479
東北大学のTシャツを着た人を交えた3人組に追い抜かれる。
2人は大きな荷物を持っているので聖を越えて北に向かうのだろう。
東北大Tは聖往復後下山するようだ。
_DSC2248
大分明るくなって来た。
_DSC2249
東北Tのグループ。
P8110480
上河内から光に至る稜線。
_DSC2250
5:17 
小聖岳2662m到着。
すでに陽は昇っている。服装の早朝バージョンから昼の行動バージョンに変えているようだ。
_DSC2253
小聖にも続々人が登ってくる。
_DSC2251
今日は湿気が多いのか、大気が靄っている。
_DSC2252
ここまで登ってまたあそこから登り返しか・・・
P8110482
小聖岳を振り返る。
P8110481
頂上をズーム
P8110483
6:25
ようやく頂上到着
_DSC2254
あれ、なんで赤石岳を背景にいれなかったんだろう・・・
_DSC2255
オッこれは背景が赤石岳!
山並みを越えていく南アルプスの縦走はロマンだなあ!
_DSC2256
兎岳。
向こうのとんがり帽子のような山はシラビソ高原の奥にある奥茶臼山だろう。
P8110484
百間洞の小屋をズーム
_DSC2257
奥聖に向かう稜線。
私は後のことを考えて奥聖はパス。
_DSC2258
すでに何人かは奥聖に向かっていた・・・
_DSC2259
6:50
さあ、頂上も賑やかになって来たところで退散。
P8110485
聖平の小屋がチラリ。
_DSC2260
頂上へ登る人と行き交う。
P8110486
荒々しいルンゼが薙ぎ落ちている
P8110488
対岸の岩壁に咲く花
P8110491
同じく・・
P8110487
私は岩壁フェチだが登る気にはなれない壁
_DSC2261

_DSC2262

_DSC2263
兎岳2818m
P8110492
先日訪れた、しらびそ高原のロッジをズーム。
紅葉の季節寒くなったら行きたい。
P8110493
7:33
小聖まで戻って来た。
P8110494
まだ時間の余裕があるので膝を痛めないようにゆっくり下ろう。
P8110495
いろんな高山植物の花が目を楽しませてくれる。
P8110496

P8110497

P8110498
至る所にお花畑
_DSC2264

_DSC2265

_DSC2267

_DSC2268

_DSC2269
8:11
薊畑まで戻った。
頂上往復している人たちのザックだろう。
この人たちは易老渡に下る人たちだと思う。
_DSC2271
小屋に着いて野外テーブルで朝食。
といってもラーメンと残り汁に卵粥をぶちまけてほとんど猫マンマである。
_DSC2272
9:00
茶臼に向けて出発
_DSC2273
上河内岳までの距離が長そうだ。
もうゆっくり行くしかない。
腹を決めて登り出す。
_DSC2274
樹林帯は脱したようだ。
聖には雲がかかりはじめた。
しかし・・・上河内への道は聖の人の多さに比べてなんて静かなんだろう・・・
マイペースで登りながら心が落ち着いてくる。
_DSC2276
聖平から上河内の標高差は500m。
なだらかなところもありそのせいか遠く感じられるが気持いい道だ。
_DSC2277
昨日からよく目につく紫色の花。
調べたらいずれ名前を付け加えよう。
(トリカブトだと読者から指摘を受けた)
_DSC2277

_DSC2278
10:45
やれやれ、南岳
P8110499
この辺りで急にお腹が痛くなり・・
誰もいないのを見計らって草むらの蔭にまぎれて用を足した。
昨日もそうだったがやや下痢気味。
疲れすぎると消化不良をおこしやすい体質だが・・・
市販のインスタント麺も好きなのだが相性が悪いのでオーガニック系の麺を選んだりしているのだが・・・
P8110500
さっぱりしたところでお花畑を見ながら行動再開。
_DSC2279

P8110501
上河内ヘの尾根は二重尾根になっている。
U字谷、末端の方には小さなモレーンのような盛り上がり・・
ここは昔小さな氷河だったのかなあ?
_DSC2280

_DSC2281
ガスに巻かれて一休み。
直射日光に晒されないのでありがたい・・
_DSC2282

_DSC2283
11:20
上河内岳頂上への分岐点。
頂上は縦走路から少し外れる。
スローペースである。
_DSC2284

_DSC2285
11:35
やっと頂上到着。
人は数人。
_DSC2286
聖も雲にまかれた。
夕立が来なければいいが・・

昔日の岳友Nが南アルプスの単独縦走を果たしたときの記録・・
上河内から聖平に向かう途中のことだ・・

「・・・遠雷を聞けたと思う間に、実に雷雲の中にいるではないか」
「眼下の雲の中を真横に雷光がツンザク。光も音も同時だ」
「パチンコ大の雹が顔へバシバシ当たる」

やっとのことで樹林帯に飛び込みホッとした途端
「頭の真上で、ドカン、バババン」
「上河内の頂上で湯を沸かしはじめていたオッサンはどうしたことであろうか?」

笑い事じゃない。
_DSC2287
まあ、そうなったら運を天に任せるしかないか・・・
_DSC2289
長居は無用
_DSC2290

_DSC2291
三角点
_DSC2292
上河内を振り返るも・・
_DSC2293

_DSC2294
竹内門
どんなふうに堆積してどんな力が加わってこんな形になったのだろうか・・
_DSC2295
幸い夕立雲ではなさそうだ。
_DSC2296
窪地の草原
亀甲状土といわれているところだが知識の無い私にはどのようなものなのか見分けられなかった。
_DSC2297

_DSC2298
13:13
茶臼小屋への分岐
_DSC2299

_DSC2300

_DSC2301
13:25
茶臼小屋到着。
早い時間に入れて良かった!
今日の行動時間は10時間弱。
こんな天気なので肌寒い。
_DSC2302

_DSC2303
チエックインして・・
_DSC2304
二階のあてがわれたスペースで荷を解く。
ビールをそそくさ飲み、早めに夕飯を済ませて横になった。
聖平で気配無く起き上がり立ち去った隣の男性が先着していた。
今日は頂上で御来迎のつもりだったが小聖で日の出になった。
明日は茶臼岳頂上で御来迎ですとのこと。
ヨシ!いいこと聞いた!オレも倣って御来迎だ。
最近、御来迎はどうでもいいと思っていたが早く動けば早く帰れる。
明日は下山日だ。
聖から上河内・・・今日一日を振り返りながら充たされた思いで夢の中に入った。