眠れないまま、スマホをいじっている。
昔登ったマイナーなルートが今も登られているのかなあ、などと検索。
結構登ってますねえ、登られてます!

でも検索に引っかからないところもある!
越後海川の取り入れ口高地の目の前に広がる陣幕状フェース。

当時はこんな呼び方してたんだけど、今は違うのかなあ・・・
大昔、岳師OE先生に連れられて、とあるゴールデンウィークをここで過ごした。

ベースキャンプを張った取り入れ口高地の美しい雪原のたたずまいは上高地にひけをとらない。
その目の前に広がる陣幕状フェース、将棋の駒、旗振山南壁の壮大なパノラマに目が奪われた。
三日間、これらの壁や奥地にある海老嵓南壁を無心に登った。
思い出深い充実した山行だった。
この山行期間、40ピッチ近く(当時は40mザイル)いちどもアブミを使うことが無かったことも特に印象に残っている。
岳師OE先生のおかげである。
はからずも、私たちが登った将棋の駒のラインは初トレースのようだ。
10ピッチぐらいのスラブ状の壁。
この地域の開拓と紹介に心血を注いだ東京心岳会の大内尚樹氏と彼の大学の後輩?故池学氏が目撃してくれたから間違いないだろうと思う。
そのラインは彼らも以前から狙っていたとのことだった。
その夜、採れたての春の山菜を山ほどゆがいて酢みそでふるまってくれながら・・・

ところが、海老嵓を除いて、この陣幕状フェースも将棋の駒も全く検索に引っかからないとは・・

ひっかからないと言えば丸山東壁の2ルンゼの登攀記録もひっかからない。
スケールの大きいすっきりした好ルートなのだが・・・
なんと、この2ルンゼでの、悲しい遭難の話が検索にかかり心が痛んだ。

で、こんなブログ
http://jugemukobo.exblog.jp/2507243(勝手に引用してすみません)
千丈ヶ岳なんて怖い壁のことではない。
「吉川鮮魚店」である。
いやーーーー
なつかしい!
うれしい!
こんなところでお目にかかるとは!

岳友OA氏とある初秋、明星山P6東稜を登った。
一応登攀に成功し(厄介なアプローチや下降路を除いて、登攀自体はさして難しくなかったが)気分よくその足で糸魚川に繰り出した。
ガソリンスタンドで美味しい魚を食べれる店を尋ねたところ、この「吉川鮮魚店」を教えてくれたのである。
客はわれわれ2人だけ。
真っ昼間から食った食った。
刺身からなにからで腹一杯!
ビールやら酒やら何でもござれで、勘定はたったの5千ナンボだった。
いくら大昔とはいえ、名古屋辺りではとてもとてもの破格の安さ!
それから酔いにまかせて、誰もいない海で素っ裸で泳いで銭湯に行き・・・
波音聞き、星を眺めて、焚き火をみつめ、酒を舐めながら、夜の更けるにまかせた・・

店の名前すら忘れていたのに、このブログにたどりついて、一気に眠気が吹き飛んだ。

・・・吉川鮮魚店!・・・
あれから30数年か・・ 今はOA氏もいない・・
失われし時を求めて・・・いつか機会があれば訪ねたいものだ。