気になっている山のうちの一つだった。
東海と信州の結界にどっしりと位置する恵那山。
ここを素通りして信州の山に行くたび心がチクリとした。
恵那山はそんな私を黙って見送りながら内心せせら笑っていたのだろうか。
恵那山トンネルより南では愛知岐阜三重ではもっとも高い山だ。
濃尾平野や鈴鹿の山からもハッキリと指摘できる山、気にならないはずがない。
今回ようやく初めて登ることが出来た。
欲を言えばもうちょっとだけ寒いときに登りたかったなあ、なんちゃって。
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最短距離という広河原ルートが一番人気がありそうだ。冬の記録も大方このルートを辿っているのでまあ、雪の上に踏み跡は残っているだろう、という甘い考え。
午前中降水確率40%、12:00以降は0%こりゃもう予報を信じるしかない。
途中雨がぽつりぽつりと来たが林道の車止めの駐車場では雨は上がっていた。7時前、今日はまだ1台も車が無い。
7:08分駐車場発。
黒い雲が時おり空を覆ったかと思うとまた高曇り。恵那山の頂きは見えないが、上空には雲がへばりついていた。
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林道をしばらく歩くと登山口の表示。広河原登山口だ。
ここから河原に下る。
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この橋を渡って身支度を整える。
7:48出発。
雲は相変わらず動きが激しい。この地点は1200メートルちょっとだから、駐車場から頂上までの標高差は1000メートルを超える。
いきなり急な登りが始まるがのんびりゆっくりだ。海抜1500メートル前後からほぼ雪道に変わる。
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落葉松の林あり。秋、赤く染まった落葉松は見事だろうなあ。
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ついでにももう一枚
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登山口から頂上まで半分来たというところ。だいぶ残雪が多くなってきた。
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雪はもう春雪。昼からはくさってくるだろう。頂上付近はまだガスがかかっている。

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登り始めの急な登りが一段落して頂上稜線に続く尾根上に出ると東側が開ける。歩きやすそうな雪稜だが、私はどちらかというと苦手かもしれない。
単調な登りに案外弱い。
ここらからは南アルプスが臨めるはずだがまだまだ雲がかかって下界もかすんでいる。しかし予報通り天気はドンドン回復してきている。
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カワイイ雪庇のあるところや広い雪の稜線をドンドン登っていく。
雪の斜面に弱い私、足腰がドーンと重くなるのがわかる。
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頂上稜線に近づくと尾根は広くなり再び森の中を登るようになった。
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頂上稜線に合流すると手元の高度計はもう2100m。あとは広い尾根の森の中を足跡を辿れば頂上だ。けっこうなバテバテ気味。
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ここには展望台のヤグラと社がある。一等三角点は見当たらない。雪に隠れているのか。
頂上の雰囲気、しかしここは2190m。最高点は2191mのはずだ。
ヤグラの上から社を撮る。
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多少はどうでもいいのだが・・最高点を求めつつ広い恵那山の頂上散策としゃれ込む。まだ誰もいないのでヤグラの上にリュックを置いて空身で行こう。北に行けば避難小屋があるはず。
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足跡が多い。みんな避難小屋とか最高点を目指しているのだろう。ヤグラの上から北の方を撮る。
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少し進んだところに小さな社。
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さらに進むと少し下り登り返すと山頂にトイレ!
普通こういうところにはなかなか無いよ。水源の水を美しくとか何かの意図があるのだろう。
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トイレの壁面には立派なというよりやや場違いな山頂周辺案内図。子供たちが遊ぶ遊園地じゃあるまいし。だが最高点の表示が無いのはナジェ?
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そばには立派な避難小屋。そうか、やっぱりトイレは要るわ。離れているので天気の悪い夜にトイレに行くのは勇気がいるだろな。
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写真を撮り損ねたが入り口にはスコップが掛けてある。
積雪で扉が開かない時はスコップを使って除雪して入らなければならないということだろう。
入り口を入ると左側は石畳の土間。薪ストーブが置いてあり、簡単な自炊調理台もある。
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右側のドアを開けると板の間になっている。
清潔に整頓されている。いつか利用したい。
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小屋備え付けのノートに書き込む。
記入時刻は
11:08
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広河原登山口からこの小屋のノートまで
所要3時間20分
駐車場からはちょうど4時間。休憩多々。
登山口に、頂上まで3時間から4時間と書いてあったので、まあ、こんなところか。
虚勢を張っても仕方がない。足腰が結構ヘロヘロになって息も上がっていた。
誰かのブログに自分の限界は標準コースタイムと考えている人がいた。オレはもう下限を切っていることになる・・・
避難小屋の裏手の岩場は展望台にもなっている。すっかり晴れてきたがまだ視界はかすんでいる。
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雪がすっかり無くなった園原のスキー場も見える。
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最高点とおぼしきところを求めてさまよっていると、またもや雪に埋もれた社。
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ふむ、まだ高いところが西の方にありそうと、足跡を辿って行くと、また社。ここからは中津川方面に視界が開けているのだが、あいにくモヤがかかっている。
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これで社は4ッ目だ。でも正直、どこが一番高いかさっぱりわからない。北の方にはまだ小高いところがあり、足跡もそちらに向かってあるのだが、少し遠いし、まあどうでもいいや、という気分になってきた。
それにしても積雪のある頂上台地はいい雰囲気である。雪原に樹木が突き出していて、アルプスで言うと雲ノ平に似てなくもない。
さて時間も大分費やしたのでリュックのあるヤグラのところに戻り昼食をとった。
風もなく春の日差し一杯。しばらく横になってみたが上手く寝付ない。
下山することにした。
12:05頂上発
いい具合に腐ってきた雪の下山は早い。頂上直下で登ってくる4+1人のパーティーとすれ違う。
誰とも会わないってわけにはいかないものだわ。
視界がだんだんよくなり、1800m付近まで下るとはっきりしないモヤの中に南アルプスが浮いている。
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山の名前が全然思いつかないのだが、左から白根三山、右が塩見か?
下の写真は赤石とか聖岳か南アルプス音痴の俺にはわからん。
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モヤの上に白く浮かぶ山脈は俗世間から空中に浮き出して、遠目にも美しく神々しい。
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で、下るほど距離が近づいて来るようで、見えるうちにと思って、何度もカメラをむけてしまうのだ。
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中央アルプス方面の視界はまだ、イマイチだ。
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さあ、適当な傾斜の雪の斜面だから小走りに下ることが出来る。雪がクッションの役割を果たすので膝もそんなに痛くならない。
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あえぎあえぎ登った登りも下りはあっという間。
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また、登って行く人とすれ違う。
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このおじいさん、俺より年を召していらっしゃるようだが、達者な足取りだ。
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日差しが強くなってきたが、サングラスは車に置いてきたまま・・
若い人がまた登って行く。ストックも持っていない。
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下の写真は北岳、間ノ岳、農鳥岳のいわゆる白根三山か。
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下ってきた道を振り返ると雪の庇がふち飾りのように見える。
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木立の中から頂上付近。茫洋とした頂稜はそのまま恵那山の懐の深さだ。
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春の樹林帯だんだん下界ぽくなっていく。
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春の日差しと樹林残雪。
日だまりの広河原登山口に到着。13:40
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頂上から1時間半ちょっと。雪のおかげでハイペースだ。
ここで、雪解け水の清流で顔を洗い、ゆっくり身支度を整理し直しドロドロになった靴やスパッツなどを洗いつつ休憩。
時間はまだまだたっぷりだ。
写真を撮りながら林道をのんびり駐車場に向かった。
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岳樺が織りなすパターンが美しい。
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岳樺が織りなすパターン2 日本画の世界にこういうのがあったような・・・・
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林道をのんびり2、30分。駐車場着。もう時間などどうでもいい。
温泉をナビで検索したら昼神温泉の公設浴場が出てきたが、車で下りはじめてすぐ入浴可能の看板を見つけてそのまま月川温泉の旅館に入った。
入浴料600円。
こじんまりしたお風呂だが雰囲気満点。
登山の終わりは温泉!これでなきゃね。
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玄関の内と外にはこんなほおずき!の束がつり下げてある。
ほおずきはお風呂に入れるようだ。
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帰路、恵那峡サービスエリアから恵那山をズーム。
木々に隠れて雪は目立たない。
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これでやっと恵那山に微笑みを返すことができそうだ。